味のないとても濃い

昼間は都内で働きシンガーソングライターもしてあとお喋りをする

【2023年】良かった曲まとめ【さうらじで言ってないやつ】

あけましておめでとうございます。2024年もよろしくお願いします。

(ブログ書くの1年ぶりじゃね?)

さて、僕は毎年所属しているサウラボにて、30・31日に色んなバンド・音楽に携わる人に「2023年」に「日本国内」でリリースされた「3曲」をインタビューするラジオをあげています。

▼前編

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▼後編

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僕も後編の方で3曲発表させていただいてます。発表したのは以下の3曲。

・AgeFactory,牛丸ありさ/ALICE

・the bercedes menz/幸福な子供たち

THE NOVEMBERS/誰も知らない

この3曲に関しては、理由とかを詳しく語ってるのでラジオを聞いてください。んで、このラジオ企画があるので僕はコンスタントにその年のリリースでピンと来たものを記録しています。

なのでせっかくなので、ラジオで発表した以外のチョイスした曲を発表していくやつをアレして新年の挨拶としましょう。

▼全プレイリストはこちら

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SATOH/RAINBOW

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デジロックっていうジャンル?ムーブメント?が平成にはありましてね…

文字面にすると「エレクトロを基調にシンセサウンドを取り入れた日本のロックバンド」って感じなんだけどそういうんだけじゃなくて…

なんか懐かしさ?なんかY2Kなんですよね。ちょっと若者特有の儚さみたいなのも感じれる。それをめちゃくちゃ感じれたっていうか。普通に質いいよね。最初にきいてビビッときた。

 

PAS TASTA,崎山蒼志/river relief

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PAS TASTAはもうほんと日本の先鋭的な作曲家集団ですよ。

音一つ一つ,アイデア一つ一つが最新で色鮮やかで音圧が良すぎる。耳に絶対残る派手さ,それでいてちゃんとポップで歌も歌詞も残る素晴らしさ。途中の、音の洪水が気持ち良すぎる。

ていうか「頬 歪み 声 形 僕もまた作られている」って日本語美しすぎるよな。

 

犀/Hurt

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これに関してはちょっと変な好きになり方してるんですけど…

2010年代にuremaってバンドが東京にいたんですけど、まあ〜〜〜それが大好きでして。でもそのバンドが解散してもう大ファンの俺は悲しい悲しい。

そこで現れた犀。めっちゃ雰囲気似てる。この泥沼に沈む感覚。ズブズブと足が沈んでいく感覚。

他の曲も含め、歌詞もダーク。素晴らしい。音楽でちゃんとここまで求心力と影響力がある素晴らしいバンドです。まだ若手っぽいので今後も気になる。

 

aiko/荒れた唇は恋を失くす

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「恋」というものを詞にしたときに右に出るものはいない。aiko

新曲でそれを嫌というほど、叩きのめすというほど(?)感じられました。

「繰り返し着た大切なTシャツの緩んだ首元に溜まる想い伝えたいよ」というサビのラスト1文。これがまたすごいと唸っちゃいまして。

”長い時間あなたを想っていた”という意味ももちろんあるんですが、多分これ部屋着に下ろしてるんですよね。Tシャツを。つまりこれは夜、リラックスしてる瞬間に”想っている”という想像ができて、もしかしたら寝る前とかにふと思い出す”あなた”なのかなって。もしかしたら一緒に寝た夜を思い出したかもしれない、ふと寂しくなる夜の一時。そんなことを僕は想像しました。

やはりあなどれない女、aiko

 

スピッツ/美しい鰭

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映画コナンの主題歌になったスピッツの一曲なんですが、スピッツすぎない?

スピッツすぎる上に、Aメロが変拍子という奇怪さも持ち合わせている。

良いバンドってずっと切磋琢磨というか、技を磨き続けるんですよねやっぱ。

スピッツだな〜」という安心感もありながら斬新でもあるのがキャリアに甘えてない感じで好感持てました。

 

左右/最高

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男女の2ピースバンド「左右」。

楽器未経験ながらもその精神から一気にポストパンク界で有名になったバンド。左右ってめちゃくちゃ「パンク」だと思うんですよね。マジでどの曲も中指立ててる。喧嘩売ってる。

音はめちゃくちゃチープだし、しかも2人で出せる音しか出さないので厚みもないんだけど、それも俺は好きです。
そもそも、「音楽は音圧があってリッチな音が良い」っていうのに喧嘩売ってる気さえする。

この曲は「最高w」って軽くみんなが言うことを、そのまま言うだけ。でもなんか俺はそれが比喩な感じがして、なんかうまいな〜ってなっちゃいます。ポストパンクをみんなもっと知ったほうがいい。

 

cero/Nemesis ネメシス

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こんな豊かな芸術があるんですね、という出来のceroの新アルバム。

芸術・体験としてとても豊か。繊細で、すべてに意味がある音。

ピアノの1音1音に意思があって、そこら中を漂っている。そんな感覚を味わえます。浸透圧がすごいんですよね。心に、体に、す〜っと馴染んでいく。

cero、シティポップやるおしゃれな若いバンド、って印象をずっと持ってた私が恥ずかしいです。きっとコンサートホールで聞いてちゃんと心に染み渡る良い体験になる。そんな音楽だと想います。

 

mudy on the 昨晩/Carnage

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高校〜大学からmudyがもう〜大好きで。3人ギターが特徴のインストバンドなんですけど、めちゃくちゃ男の子の好きなやつ。

ラスボスのサントラ?みたいな。ずっとイケてるフレーズが洪水のように叩き込まれていく。

ギター3本もあるから、良い意味で「隙間がない」常に"かっこいいフレーズが押し寄せる"昔好きだったけど今どうなんだろ〜と思って聞いたら、もうずっとそれで最高でした。

 

valknee/WHITE DOWN JKT

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日本語ヒップホップに多くハマった2023年。その中でもアゲだったのがギャルラッパーのバルニーちゃんです。

ただフロウが良い、ってだけじゃなくて。バルニーちゃんの良かったのはヒップホップの精神が伴っていたのと言葉のうまさ。ゲトーって言うんだっけか?貧困層からのぜって〜成り上がるぞ!精神、みたいなやつ。それが詰まった曲です。

「ガムテープ貼ってまだ使ってるダウンジャケット、あいつは生地がいいやつ。でもウチはハートがバーン」っていう睨みつけ感がたまらない。

さらに良いのは「でもSHEINはFuck down」のとこで、さらっと聞くと「ダンゴムシFuck down」にも聞こえる。

多分これは「お前のダウンジャケットはダンゴムシみたいでファック」みたいな感じ?それと奴隷のように人を扱き使ってるSHEINを使うのはギャル道徳的にナシ、みたいなダブルミーニングになってる。と思ってる。このギャル、人権意識も強いのかよ。

hirihiriのバカ重キックも気持ちいいね。

 

w.o.d./STARS

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地元の先輩が言ってたんだけど、ロックバンドはロックバンドとしてかっこよくいるならスリーピースが一番(楽器のダイナミクスが通じやすいのと、キャラが立ちやすいから)ってのがあって、それを実感させるのがw.o.d.”

ロックバンドとして”かっこいい、をずっと貫いてるバンドでずっと大好きだったんですが、それがBLEACHの主題歌ですって…?

BLEACHの主題歌といえば、やっぱ俺ら世代は心奪われた曲があった黄金アニメ。

NARUTOと並んで「主題歌がかっけえアニメ」なのでもう、かっけえロックバンドがかっけえまま広まる!と思ってめちゃくちゃワクワクした1曲です。

 

ピーナッツくん/TwinTurbo

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これはもう単純に好きだからってのが強いんだけど…

しかし踊れすぎる。4つ打ちじゃないブレイクダウンでこんなにも踊れることあるかよってくらい踊れる。

あとMVで実際に豆が踊ってる振り付けもめちゃくちゃ良すぎる。キューティクル。

クラブイベントで流して踊りたいわね。自分も。

 

でかくてまるい。/36号線

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コロナ禍で色んなものが亡くなりました。甲子園がなくなって、それを取り戻す大学生のプロジェクトもニュースになってました。

そしてバンドにおける”甲子園”ももちろんコロナ禍でなくなって…そして2023年復活したのが「閃光ライオット

閃光ライオット」は2008年から始まったティーン限定のバンドコンテストで、ここから数々のバンドが旅立っていった名だたるコンテスト。今だったら緑黄色社会もここ出身。俺が一番閃光出身で好きなのは挫・人間。そして自分も応募して、予選で散った大会でもある。

結構、思い入れが自分は強くて。この閃光出身のバンドでBrian the Sunってバンドがいるんだけど、そのバンドにめちゃくちゃ憧れてて、そしたら偶然イベントで対バンすることがあって。そんでそこで「めちゃくちゃ好きです!」ってCD渡したら聞いて気に入ってくれて次のツアーで俺らを指名して回ってくれたって思い出があって。

まあ思い入れが強い大会なんですわ。

んで、でかくてまるい。は復活した閃光ライオットの優勝バンド。まあ〜自分は若い子のバンド大好きで。泣いちゃうんですよね無条件に。この曲「いや銀杏すぎるだろ!」ってなるけどもう全然良い。好き。最高。泣く。

 

KID FRESINO/rose

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2023年ハマったHIPHOPの一つでも抜きん出てたのがキッドフレシノ。

この独特なフロウ気持ち良すぎるだろなんだよな。めちゃ早い韻なんだけど、嫌味がないというか。濁流のようなラップがめちゃくちゃ気持ちいい。

ライブも見に行ったんだけど、リズム感が鬼。この曲ではないけど5拍子の曲あって、このフロウの量なのに5拍子をユラリユラリと漂いながらキメていく姿が美しすぎた。

roseに関しても、こんなにビシビシフロウをキメれるのはリズム感が鬼なんだなって感じる。

ラッパーっていうとイカつくて悪いイメージあってとっつきずらいみたいな人もいるかもしれないんだけどそういう人にオススメ。

 

崎山蒼志/i 触れる SAD UFO

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どうした曲名?向井秀徳か?(昔から向井秀徳好きだったよね崎山くん)

デビューから天才だったけど、新譜も天才なのかよ。アコギ弾き語りから、オルタナギターロックとかフレンチエレクトロとか色々挑戦しててそれでいきながら崎山節を貫いているのがかっこよすぎる。

この曲も軽妙なアコギに合わせて不思議な詞が展開されていくのがいいなって思う。

「赤ん坊、赤ん坊はたしか全宇宙の宝物。慎重、慎重に扱ってくれるだろう」ってとこがちょっと寂しさがあって好き。

赤ん坊はたしかにかわいくてかけがえないものなんだけど、それって貴重=数少ないもの儚いもの、みたいなのが感じられる。あとアウトロが天才すぎるので最後まで聞いてください。

 

GRAPEVINE/アマテラス

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オイオイオイ…ずっとcoolすぎる…今ウィキで調べたら93年から活動してるんだって。

何歳…?ちなみにミスチルが92年デビュー、スピッツが91年デビュー。

そんくらいのキャリアのバンドだけど、彼らはずっと(悪い言い方をすれば)「ポップス堕ち」をしていない。あーはいはいJ-POPね、となるような楽曲にならない。

まずセクシーすぎる。ちなみに本人もセクシー。そしてギターがちゃんとうるせえ。そういう部分がずっとロックスター然としてる感じを続かせてるんだろうな。

この曲、歌詞尖ってて。日本の保守を「岩戸から出てこない引きこもり」のように神話になぞらえて揶揄している曲なので「音楽に政治的思想持ち込まないで!」の真逆をいく歌詞。(ちなみに俺はそういうやつはくそくらえと思っていますロックはそもそも左翼の武器なのに)というか今回のアルバムそういう曲多かったんだよな。

左寄りの思想が多め。『SEX』って曲で「LGBTQQIAAPPO2Sは」なんて歌詞のあとに「あなたの願いよ届け」って歌ってるし。そういう表現もこのキャリアとロックバンドとしての説得力が成してる技だなって思う。coolすぎる。

 

betcover!!/鏡

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最高アウトロ賞。

マジでこの世の曲でもトップクラスにアウトロがかっこよすぎる。

2023年、僕は珍しく、日本の昔の楽曲をちゃんと聞こう運動してたんですけど、それがちゃんと今に繋がった感覚があって気持ちよかった。

bercover!!はシティポップや演歌から邦楽を継承してそこからセクシーにオルタナバンド化してるなって印象。こういう曲書きてえ〜

もともとボーカルの人のソロプロジェクトだったけど最近はどんどんバンドとして鋭くなっていってるので、ぜひライブでみたい。一流のジャズセッションみたいな感覚もあるし、一人のシンガーを際立たせるプロバンドの感覚もある。

紅白見たあとだから言うけど寺尾聰っぽさもあるな。ともかくアウトロかっこよすぎる。

 

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN/ワタツ

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チョコパコチョコキンキン、と読みます。

はっぴいえんどYMO細野晴臣さんの孫がベーシストのバンドです。

ともかくリズムへの解像度が高すぎる。めちゃくちゃ音楽のIQが高い。パーカスへの理解が深い。これって血縁?それとも環境?ずるい〜

細野晴臣からの系譜であることは間違いない。というかそこから直系だなと感じると今の邦楽ってどれだけ歌重視なんだよってもちょっと思うな。ってくらい「リズムで聞かせる」ができる曲だな。

同アルバムには『琉球 Boogie Woogie』という琉球音頭とブギウギを融合させた曲もあるし、ワタツミも日本神話の神の名前だし日本土着に結構興味が強い人達なのかなって思う。まだ大学生じゃねっけ。

 

Mega Shinnosuke/東京キライ☆

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これも結構Y2K。平成イズムを感じる。

渋谷で騒いで死んでいく若者って感じ。

「だってさ、どう足掻いても僕等は死ぬんだぜ」「狂ったクソな時代って冗談?こんなもんさと」ってところがなんか平成のちょっと薄暗い未来感というかまさに悟り世代って感じ。

半音進行でありながら軽快なリフはめちゃくちゃご機嫌だし、路上で酒飲みながら聞きたい一曲すぎる。

なんていうか細かいことは言えないけど、そういう若者のどうしようもなさと楽しさが同居した一曲だなって思う。

だってさ、どう足掻いても僕等は死ぬんだぜ。

 

moreru/(true end)神へ、いいえ

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さよならを教えて」って伝説のエロゲー知ってます?

それのテーマ曲にしてもいいと思います。

それはさておき、僕は一番これが「音楽」だなって思います。俺の思想的に。俺は怒りとか悲しみで曲書くことが多いけど、結局"曲にしなきゃ"みたいなジレンマが働くことがあるんだけど、結局その感情を純粋に曲にしたらこんくらいのノイズハードコアになると思ってるんすよ。

死ねって思う感情なんて音にしたらこうなるでしょ。そういう意味では音で感情を表すという意味ではめちゃくちゃ音楽だなって思いますね。

最後らへんの低音がバグるところ、気持ち良すぎるので一生聴いてる。「低音がバグる」ってあんま経験してないけど今度から積極的にバグらせてこ〜

 

2024年も色々音楽聞いていきたいです

2024年も色々音楽聞いていきたいです。もう年明けて、すげえ大変なことばっかあるけど、それでも音楽を諦めたくない、そんなことを思いました。皆さんもまとめ記事書いて教えてよ俺に。

2023ベストの今回作ったプレイリスト↓

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サウラボのラジオ、「さうらじ」は新年も投稿してるのでよろしくね。

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